汎用パルス信号処理

UPPの構造

Cosmo-Zでは放射線信号処理に使われるパルス信号の処理回路を、
汎用パルス信号処理(UPP:Universal Pulse Processing)と呼びます。

UPPには、TFA、CFD、BLR、LLD、ULDおよび汎用のゲートおよびディレイ生成回路が含まれます。(将来的には、Coincidence、Veto回路も実装されます)

次の図に、UPPの全体構造を示します。

  • TFA(Timing Filter Amplifier)・・・CR微分-RC積分回路で波形を整形する
  • BLR(Base Line Restorer)・・・無信号時の電圧が0になるようにする
  • CFD(Constant Fraction Discriminator)・・・正確なタイミングを算出する
  • Trapezoidal Shaper・・・弾道欠損の波形整形。半導体検出器の場合に使う
  • Gate Generator・・トリガを遅延させたり広げたりする
  • LLD/ULD・・パルスの高さに上限下限を設けてトリガを発生させる
  • Peak Hold・・ピークの高さを保持する
  • Linear Gate・・ゲートが発生しているときだけ信号を通過させる

UPPは波形を整形して出力するとともに、入力したパルスの波高値を計測してMCAに送ります。

 

ライセンスと制限

UPPはFPGA内のハードウェアで実装されているため、「放射線計測回路&MCAオプション」を付けたFPGAでのみ利用できます。

 

コントロールパネル

UPPコントロールパネルを開くには、メインメニューで「拡張機能」→「放射線信号処理」を選択します。

 

コントロールパネルが開きます。

 

青い経路はメインの信号経路を示しています。緑色はTrapezoidal Shaperを使う場合、オレンジはCFDを使う場合です。黄色はトリガ・ゲートを示します。

チャネルの選択

基本的にはチャネルを1つずつ選択してパラメータを調整していきます。どのチャネルを設定するかは、「捜査対象チャネルを選択」ボタンで切り替えます。

 

設定情報のコピー&ペースト

1つのチャネルのパラメータを設定したら、「設定をコピー」「設定を貼り付け」「全チャネルに現在の設定を適用」ボタンを使って他のチャネルに同じ設定をコピーすることができます。

 

ファイルへの保存

設定をファイルに保存したり、ファイルから読み出したりすることもできます。

 

「デフォルト設定」を押すと、NaI用のデフォルト設定(τi=τd=1us、τpz=0.25us、Gain=2.828、BLR ON)になります。

 

設定手順

基本的に使用するのは、TFAとBLR、LLD/ULDおよびGateGeneratorのみです。ほとんど場合はCFD、Trapezoidal Shaper、Peak Hold、Linear Gateは使いません。

したがって、以下の手順で設定します。

 

  1. まずは「デフォルト」設定を押して、NaI用のデフォルト設定にします。
  2. 入力が正のパルスであれば入力反転回路をONにします
  3. 必要に応じてTFAのパラメータを調整します。
  4. 波形ビューに戻り、トリガの設定を「USER」にします
  5. LLD/ULDを設定して、適切なカウントができるようにします
    • ULDは最大にします(499mV)
    • LLDは小さいほうが低いパルスまでカウントできますが、
      低エネルギーの領域をカウントをしても意味がない場合は
      無意味なカウントを減らすためLLDを上げていきます。
      一般的には5mV~10mVくらいがよいでしょう。
  6. Trigger Gate GeneratorのWidthの値は0でも構いません。逆に、Widthがあると連続してきた2つのパルスを分離できなくなるので、パイルアップしていると思われる場合はWidthを減らしてみてください。
  7. Trigger Gate Generatorの信号ソースはデフォルトのままLLD/ULDにします。
  8. Peak Holdや、Linear GateはThroughのままにします