イベントモード機能について
イベントモードとは
イベントモード(波形計測回路)とは、信号が発生した瞬間のみデータを記録する機能です。
イベントがごく短期間に発生し、さらに発生確率が低い場合は、すべての時間のデータを記録すると非常に多くの無駄が発生します。
信号が発生している期間にその当該チャネルのみを記録します。
例えば、下図のような波形が入力された場合、Cosmo-Zの計測回路はトリガ前後の期間のパルス波形のみをキャプチャします。
波形データとともに、イベントが発生した時のチャネル番号、時刻(10ns単位で48bit)、パルス高さ、パルス面積、ペデスタルレベル(ベースライン)、トリガレベル、キャプチャ時間等の情報を「ヘッダ」として出力します。
イベントの発生
イベントモードでの計測は、チャネルトリガの発生によって開始します。
イベントモードを使用すると、例えば、周期的に繰り返す外部トリガに同期して、全チャネルのアナログ波形をキャプチャすることが可能です。
このような計測は、レーザを使った計測などでよく用いられます。
イベントモードの特徴
- トリガが発生した波形のチャネルのみを記録
- 1つのイベントの長さは1024ワードまで(FPGAの改造で改良可能)
- イベントのない期間のデータを記録しないことで、データ量の削減が可能
- キャプチャされた波形の個々に、タイムスタンプとパルス高さなどのヘッダが付加されており、オフラインで現象を解析可能
イベントモードの仕様
- 記録長:標準構成では最大998ポイント(約12μ秒)、オプションで最大8010ポイント(約100μ秒)
- デッドタイム:一回の計測で100ns以下
- タイムスタンプの形式:システム起動時からのクロック数を10nsで記録
- 計測される値:パルスのピーク値、パルスの面積、トリガ時間、無信号時のレベル他
- 精度:ADCの制度による
- ヘッダ長:24バイト
- データ長:0~998または0~8010ワード(1ワード=2バイト)