Trapezoidal Shaper

Trapezoidal Shaperは、台形型波形整形回路とも呼ばれます。

半導体検出器などでは、放射線の検出された位置によって電荷収集時間が変化し、立ち上がり時間の違いとしてあらわれます。このことを弾道欠損(ballistic deficit)といい、エネルギー分解能の低下の原因となります。

弾道欠損に対しては、上端が平坦な形になるようなパルス整形を行うのがよいとされています。

台形波形整形回路はそのための回路で、下の図のような構造をしています。

 

この回路はアナログでは作ることができず、FPGAならではのディジタル信号処理回路となります。

設定値

kは整形後の台形波形の立ち上がり時間、lは台形の頂上の時間、Gainは整形回路のゲイン、τは入力波形の減衰の時定数です。デフォルトの値は、テスト波形に対して最適な値となるように設定さています。

 

 

波形処理のイメージ

下の図は、シンチレータからの波形で、半導体検出器からのものではありませんが、入力パルス(茶色と黄色)が台形型に整形されている(青とオレンジ)のがわかります。