Cosmo-Z Miniの製品仕様
Cosmo-Z Miniは、FPGAを搭載した高速データ収集装置(DAQ)です。
高速ADCで取得したデータをFPGAでリアルタイムに信号処理し、大量の波形の中から必要な部分だけを抽出したり、
データの特徴量を抽出してデータ量を削減し、それを有線LANまたは無線LANで送信することができます。
ADC仕様
- ADC:14bit 125MHz 4ch
- 入力フルスケール: ±0.5Vpp
- 入力換算ノイズ: 約122μV
- 入力インピーダンス: 50Ω
- カットオフ周波数:約50MHz (アンダーサンプリング用途には125MHz以上に伸ばすことも可)
DAC仕様
- フルスケール: ±0.5Vpp
- 出力インピーダンス: 50Ω
- 正弦波、パルス、疑似乱数、任意波形の発生が可能
信号処理部
- XILINX Zynq XC7Z020
- Dual-Core ARM Cortex-A9 667MHz
- ロジックセル数 85000
- LUT数 53200
- Block RAM 4.9Mb (140個)
- DSP(18x25)数 220個。DSP性能 276GMACs
- メインメモリ 1GB
ディジタルインタフェース
- 汎用ディジタルI/O 入力4bit (外部クロック、トリガ入力、GPSなどに使用可能)
- 汎用ディジタルI/O 出力4bit
通信機能
- 100BASE-TX イーサネット
- USB2.0 ホスト x4
- USBシリアルコンソール
電源
- DV5C単一電源
- ACアダプタによる給電
- USB Type-Cによる給電
- 5V 3A
ソフトウェア仕様
- OS: Ubuntu Linux 14.04
- SSHまたはコンソールから操作するコマンドラインアプリを標準搭載
- Webアプリを標準搭載
- C および Python APIによりオリジナル計測アプリを作成可能
その他仕様
- リアルタイムクロック (電気二重層コンデンサによるバックアップのため航空機で運搬可能)
- 状態モニタ用LED 8個
筐体
専用のアルミ筐体が付属
注文情報
製品概要 | 注文品番 |
Cosmo-Z Mini | COSMOZMINI |
コネクタLEMOオプション | CSZLEMO |
測定結果
波形キャプチャの例
FGで生成した振幅424mVの正弦波を入力。
1MHz時の振幅は13500[LSB] = 0.82Vpp
100MHz時の振幅は1360[LSB] = 0.083Vpp
400MHz時の振幅は10[LSB] = 0.61Vpp
サンプリング周波数は125MHzですが、125MHz以上の信号も測定できます。その場合、アンダーサンプリングとなるため、125MHzで折り返したエイリアシングを見ることになります。
放射線測定
NaI+フォトマルで、バックグラウンドを測定した波形の例を示します。
次の波形は、振幅が大きく飽和してしまっている例です。
ひずみ率測定
オーディオアナライザで100kHz・ひずみ率-100dBの正弦波を生成し、Cosmo-Z MiniのADC1でキャプチャし、FFTした結果を示します。基本波の強度-10dBに対し、3次高調波は-100dB以下で背景ノイズに埋もれて測定できません。ひずみ率は-90dB以下であることがわかります。
Cosmo-Z Miniは、放射線のようなパルス波形の測定だけでなく、連続した波を測定する場合にもご利用いただけます。
入力ノイズ・ヒストグラム
応用例
Cosmo-Z MiniにNaIシンチレータとフォトマルを接続します。
得られた生の波形を示します。
次に、NaIの隣に塩化カリウムの試薬を置いた場合と置かない場合でスペクトラムを作り、比較します。
カリウム40と思われるピークが見えています。